戦争にチャンスを与えよ – エドワード・ルトワック 奥山真司

戦争にチャンスを与えよ - エドワード・ルトワック 奥山真司

無責任な介入が平和を遅らせる

・無責任な介入が平和を遅らせる
戦争は平和をもたらすためのプロセスである。負けた方は領土や権利を奪われる可能性がある。しかし平和はやってくるのだ。

・最近の紛争が平和をもたらさない大きな理由は、第三者による介入によって平和へのプロセスを辿れないからである。コソボ紛争、ルワンダ内戦でも国連や、先進国、NGOなどが人道的な立場から介入を行ってきた。

・紛争を途中で中断される。勝敗が決まらず、敵対するグループへの恨み・つらみが募る。停戦中に戦力は回復し、過激派が介入組織の資産によって再び活気を取り戻す。

・アメリカによるイラク戦争は、中途半端な軍事介入でイラク国内からISが誕生してしまった。ルワンダ内戦では、隣国との国境付近に作ったフツ族への難民キャンプが、ツチ族を殺害する過激派の基地になってしまった。パレスチナに至っては、パレスチナ難民キャンプが、民間人の逃亡先から“望ましい住処”になり、世代を超えた難民国家を作り出した。

パラドクシカル・ロジック(逆説的論理)

戦時中は一般のロジックが通用しない。むしろ反対の現象が起こりうる。つまり、戦争が平和をもたらし、平和は戦争をもたらすのだ。戦争は勝ちすぎると必ず負ける。領土拡大で、本拠地から離れることで、反撃の機会、寝返りの機会を相手に与えるからだ。

力関係が変われば敵・味方も変わる。国が弱体化することで、逆に同盟国を増やすこともできる。大国が小国に勝てないロジックもこれに由来する。この論理に従えば、平和の時にこそ、戦争への準備を怠ってはいけない。それによって、平和は初めて保たれる。

戦争回避のために

戦争を回避するには、戦争の準備をすること以外に、外交力が必要になってくる。すなわち、戦略的な友好関係を他国と結ぶことだ。そのためには、相手が何を求めているかを理解する。戦略のためには政治的な批判に耐える。カネと権力を正しく理解する。

とことん戦え、そしてお互いに「辞めよう」というまで誰も手出しすべきではない。戦争を尽くして初めて真の平和が訪れる。

安定と平和が欲しい。これが住民の本音のようにも聞こえる。アサド政権の独裁のほうが、内戦状態よりましだ。フセイン政権下のイラクのほうが、住民は違う宗派に襲われる心配もなく、平穏に暮らせたのだ。自由・平等など欧米が唱える人道的な介入は、ようはお節介だ。しかも無責任な。当事者にとっては自由・平等よりも命のほうが大切なのだ。

戦争から見たヨーロッパ

ヨーロッパは常に戦争が行われてきたところ。ヨーロッパが成功していたのは戦場であった時代。戦争がなければ創造も生まれない。

第一次大戦〜第二次大戦中のヨーロッパでジェットエンジン、航空機、弾道ミサイル、電子産業、通信技術、核兵器などのテクノロジーが生まれた。

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